芸能人・スポーツ選手等の確定申告コラム

作家・漫画家等の確定申告【詳細解説】

本日は、作家・漫画家・作詞家・作曲家等の確定申告についてご紹介いたします。以下、「作家・漫画家等」とさせていただきます。

作家・漫画家は個人事業主として確定申告をする必要があるか?

作家・漫画家等の皆様が、作品を作成して生計を立てていく場合、収入について確定申告をする必要があるのでしょうか?まずはこの点について検討を行いたいと思います。

作家・漫画家は、自分で作品を作成して完成した作品を元に生計を立てていくプロフェッショナルですが、個人事業主として仕事を得て行動していくのであれば、当然のことながら、確定申告をする必要があります。作家・漫画家として、会社に所属しながら収入を得ていた際は、確定申告に替わる年末調整を、所属する会社が行っていたので、作家・漫画家等の皆様が確定申告を行う必要がなかったと思います。

ですが、個人事業主として作家・漫画家の活動をしていくのであれば、自分自身が確定申告を行わなければなりません。作家・漫画家等の皆様が確定申告を行う必要があるかどうかについては判断する場合には、以下の点について検討を行う必要があります。

(1)個人事業主としての事業所得が発生しているか?
(2)給与の年間収入金額が2,000万円を超えているか?
(3)給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超えているか?
(4)その他確定申告を行う必要がある一時所得や不動産所得などが発生しているか?

上記のいずれかに該当する場合には、作家・漫画家の皆様は確定申告を行うこととなります。

作家・漫画家の収入項目について

上記のうち、特に重要な論点が(1)でしょう。事業所得を考える上で、まず重要な項目が「収入」です。ここでは作家・漫画家等の収入源について見ていきたいと思います。作家・漫画家等の収入源というのは、一般的にはどのようになっているのでしょうか。

作家・漫画家等の収入は、(1)原稿料、(2)印税などから構成されております。

(1)原稿料

作家や漫画家等の基本的な収入の1つに「原稿料」があります。

作家の原稿料とは、原稿を執筆した際に得られる収入になります。小説400字詰めで執筆した際は、原稿用紙1枚につき計算が行われ、エッセイやコラムは、1本で単価が計算されることとなります。小説の原稿料については、1枚で3,000円~60,000円など、人によって様々のようでして、新聞、月刊誌、週刊誌、一般雑誌の掲載紙などの違いや小説家としての経験によっても変わります。

一方で、週刊連載などを行う漫画家の収入ですが、原稿料は、連載を行われる作品に対する収入となっています。「ページ数×ページ単価」など、決められた計算方法によって、産出された金額が漫画家の原稿料となります。ページ単価に関してですが、その漫画家の経験や掲載される雑誌やお客様の数によって様々ですが、相場は、数千円~数万円となっています。なお、あまり売れない雑誌では、原稿料が0円のときもあります。

(2)印税

作家や漫画家の収入としては上述のように、まずは「原稿料」がありますが、一方で、「印税」と呼ばれるものも収入源の1つとして存在します。漫画家で、週刊連載をしていた場合、作品の人気が出てくると単行本などにされることがあります。作品が単行本化すれば、その漫画を描いた作者は、単行本の発行部数に応じた印税をもらうことができるようになります。

単行本の印税ですが、8%~10%程度と言われています。その漫画家が描いた作品によりますが、人気が出れば連載が長くなりますので、単行本の巻数が増えていくこととなります。1巻あたりの発行部数も増えていくので、多く印税をもらうことができるようになります。個人事業主として生活できるだけの収入を得ている漫画家の皆様は、原稿料もそれなりの値段で設定されており、印税収入も原稿料に応じて値段が設定されているようです。

作家の場合、印税とは、著作権使用料を表しています。書籍を出版する際に、出版社が著作者に向けて支払いを行います。単行本の値段からすれば、定価の10%が印税分に割り当てられる事が一般的でして、出版部数によって支払われる印税は変わります。本が初めて出版された場合、その出版された書籍のことを初版と呼び、次に出版される書籍のことを2版と呼びまして、版の数が増えていくことでさらに印税が支払われることになります。

作家・漫画家等特有の経費項目について

作家・漫画家の皆様が、確定申告をする際には、原稿料や印税などを収入項目として確定申告に織り込んでいく必要がありますが、これらの原稿料や印税から必要経費を引いて所得を計算し、納付すべき税額を計算し納税する必要があります。よって、実際に何が必要経費になるのかということが重要になってまいります。

作家・漫画家の皆様の必要経費にはどのようなものがあるのでしょうか。作家・漫画家として活動を行っていると様々な経費がかかってきます。どこからどこまでが必要経費となり、どこからどこまでが必要経費とならないのかについては理解しておかなければ、確定申告の際に正確な計算を行うことができませんし、また、節税対策を行うこともできないでしょう。以下では作家・漫画家の皆様に特有の経費項目についてみていきたいと思います。

(1)インターネット関連費用

作家や漫画家等の皆様が個人事業主として活動していく場合、調べものにインターネットを利用することがあるでしょう。また、その他、インターネットを利用して、営業のメールを出したり、完成した作品を送信したり、インターネット回線を利用して電話を行ったり、様々な利用方法があると思います。これらインターネット関連費用は、確定申告の際に、通信費の経費項目に該当します。

(2)ホームページ制作を依頼する料金

作家・漫画家等として、情報発信を行う目的などでホームページを持たれている方も多いでしょう。ホームページ制作を、外注した場合の外注費に関しては、確定申告の際に、広告宣伝費の経費項目に該当します。他にも、ホームページのSEO対策に必要な費用や広告を出稿する際に必要なリスティング広告費用なども広告宣伝費に該当します。

(3)自宅とは別に事務所を用意した場合の料金

作家や漫画家等の皆様が、自宅とは別に集中して行動する場所として仕事場を借りていた場合には、確定申告の際に地代家賃として必要経費にすることができます。他にも、事務所に隣接する駐車場を利用しているのであれば、その月極駐車場賃料なども地代家賃に該当し経費として処理することができます。

(4)税理士や弁護士やコンサルタントに支払う報酬

作家や漫画家等の皆様が、確定申告の手続きを委託するため税理士と契約をする場合や、仕事がらみでトラブルに巻き込まれ弁護士に訴訟関係をお願いする場合もあるでしょう。これらの税理士や弁護士、その他コンサルタントに支払う報酬についても必要経費とすることができます。

作家・漫画家等が確定申告を行う場合の手順

作家や漫画家等の皆様が確定申告を行う際の一般的な手順について、以下ご紹介させていただきます。

(1)確定申告のための申告用紙を入手する

最初に最寄りの税務署または国税庁ホームページから確定申告書の用紙を入手することからスタートします。いろいろな用紙があってわかりずらいですが簡単に紹介しますと以下のような種類となっています。

確定申告書A
 主に給与所得者や年金所得者の確定申告書です。
 ⇒給与所得の方はこの確定申告書Aを利用する場合があります。

確定申告書B
 主に個人事業者や分離課税対象の所得がある人の確定申告書です。
 ⇒作家や漫画家等の皆様は通常はこの確定申告書Bを入手することとなります。

分離課税用(確定申告書Bとセットで使用)
 土地建物等・株式等を譲渡した場合の所得(譲渡所得)や退職所得などがある人の確定申告書です。
 ⇒作家や漫画家等の皆様で上記の所得がある場合にはこれも入手する必要があります。

損失申告用(確定申告書Bとセットで使用)
 所得金額が赤字になる人の確定申告書です。
 ⇒作家や漫画家等の皆様で所得金額が赤字になることはあまり想定されないと思いますが、もし大きな必要経費がかかって赤字となる場合にはこの用紙を入手することとなります。しっかりと赤字額を申告し翌期以降の確定申告で相殺できるようにしましょう。

なお、最近は国税庁のウェブサイトである確定申告書作成コーナーからも確定申告書を作成することができますので、以前よりは確定申告書の用紙を入手して手書きで記載する方は少なくなっております。

(2)確定申告書を作成するための必要情報・必要書類を集める

 
作家や漫画家等の方が確定申告を行うために必要となる情報や書類は、ケースバイケースなので一概には言えませんが、例えば以下のような書類が必要となります。
・賞金・手当の支払調書又は源泉徴収票
 ※支払調書は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」という種類のものになります。
 ※作家や漫画家等の皆様が講演会などを依頼されて受領した報酬についても支払調書を受け取ることとなりますが、こちらも申告が必要です。
・収入が入金されたり、必要経費が出金される通帳
 ※プライベート用口座と事業用口座は分けたほうが管理や説明が楽になります。
・必要経費の領収書や請求書等
 ※家賃や車両費や携帯電話料金など100%を必要経費にしずらいものについては経費算入した割合についての説明も必要です。
・各種控除のための証明書類(生命保険料控除証明書等)

これらの準備を行うのが大変だと思います。特に大変なのは、必要経費の領収書や請求書等を整理しEXCELにまとめる等の作業です。もちろん領収書ごと税理士に渡して確定申告をお願いするという作家や漫画家等の皆様も多いと思いますが、ご自身で行う場合には、親族や友人などの協力が不可欠かもしれません。

(3)確定申告書を作成する

必要な情報や書類が集まりましたら確定申告書を作成していきます。確定申告書には色々な明細を添付する必要があります。そして提出用と控え用と2部作成する必要があります。何かあった場合の確認や翌年以降に確定申告書を作成する上での参考となります。この作業は3月15日までに行うこととなります。

ここで白色申告と青色申告で作成する書類が一部異なってきます。白色申告の場合にはいくつかの税務上の恩恵は得られないが貸借対照表を作成する必要がなく経理処理が必要に楽です。一方で青色申告は事前に税務署に「所得税の青色申告承認申請手続」を提出することで、いくつかの恩恵を受けられますが貸借対照表を作成するなど作成する明細が多くなります。青色申告と白色申告の違いについては別の機会でご紹介させていただきます。

(4)作成した確定申告書を税務署に提出する

作成した確定申告書は提出時の住所地を管轄する税務署に提出することとなります。なお、年の途中で引越した場合には、引越し後の住所を管轄する税務署に提出することになります。その場合には、引越し前の管轄税務署と、引越し後の管轄税務署の両方に忘れずに「納税地の異動に関する届出書」という書類を提出する必要があります。

確定申告は毎年対象となる年の翌年2月16日から3月15日までに行う必要があります。なお、所得税が還付されることとなる確定申告書の場合には、2月16日を待たずしてなんと1月1日からすぐに提出することができます。

提出方法としては、もちろん税務署に直接持参しても大丈夫ですが、郵送にて送ることも可能です。郵送の場合には控えと切手を貼った返信用封筒を同封することに忘れないようにします。なお郵送の際は消印有効ですので提出期限の最終日の消印がもらえれば期限内申告となります。期限後申告となりますとペナルティがあります。

(5)所得税の納付をしたり、または、還付を受ける

所得税の納期限は確定申告期限と同じ3月15日となっています。所得税の確定申告書を提出する際に、同時に納付書に金額を記載の上、税務署、銀行、郵便局、信用金庫等で納付をします。還付申告の場合には確定申告書を提出して1か月くらいしますと指定口座に還付されることとなります。なお還付申告の場合の指定口座はネット銀行の口座は対応していない場合があるので注意が必要です。

なお、住民税の納付については申告した所得税確定申告書をもとに5月までに決定され6月から納付を開始することとなります。したがって、住民税の巨額な納付書が突然自宅に届くということに備えてしっかりと納税資金を確保しておく必要があります。

確定申告においては「何をしたらいいんだろう?」「どんな書類を集めればいいのだろう?」「どうやって書けばいいのだろう?」と不安になることも多いと思います。確定申告についてお困りの際はお気軽にご相談下さい。ご自身でご自身のことを客観的に見つめ確定申告を行うことはとても難しいと思います。是非、弊社の経験豊富な税理士がお手伝いをさせていただければ光栄です。

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